「君の名は。」のレビュー

ストーリー

高校生の男女、瀧と三葉が、奇妙な夢を見るようになる。夢の中で二人は、異なる場所にいながら入れ替わってしまう。一度は異世界の交流を楽しむ二人だったが、二度目の入れ替わりは、予告された彗星の落下と、瀧が三葉の居場所を知らないまま、現実に帰ってしまったからだった。二度と会えないかと思ったある日、二人の運命的な出会いが、壮大なストーリーの始まりとなる。

映像と音楽

映像は、美麗で力強く表現されている。山間に広がる田園風景、都心を縦横に走る電車、都心で繰り広げられる彗星の鮮やかな軌跡など、細部まで美しく表現されている。音楽は、前田慶次郎による力強く感動的な楽曲で、物語を盛り上げている。

キャラクター

主人公の二人は、対外的にはともに頑張る高校生として描かれているが、内面ではそれぞれに思い悩んでいる。一方は、都心で抱える内なる孤独感に向き合うことで成長し、もう一方は、家族間の愛を成長要因とすることで、自分自身を達成することができる。

総評

「君の名は。」は、ストーリー、映像、音楽、キャラクター全てにおいて神話的な傑作中の傑作である。思春期の刹那の美しさと哀しさ、二人の揺らぎ戦い、思い出を巡る旅、青春の中に根本的な問いかけがある。アニメファンには必見の作品である。