「君の名は。」レビュー

あらすじ

東京と田舎の奈良県で暮らす二人の少年・瀧と宮水が、共感しあいながら突如入れ替わり、自分たちの生活や周囲の人々に戸惑いながらも、それぞれ自分たちの原点へと導かれていく姿を描いた青春アニメ映画である。

一言でいうと、「感動的な映画」だ。物語の中では、入れ替わった二人が次第に互いを理解しつつも、自分たちの解決すべき問題があることが描かれている。瀧が宮水の人生を観察しながら、彼女を救おうとするのは、感情が描かれ過ぎた演技ではなく、その人物が本当に成し遂げたいことが理由であることがわかる。

また、映像の美しさも圧巻で、空気が青くなったときに湧き上がる空気感のようなものまで表現され、映画館での鑑賞が特に大きな効果を発揮する。音楽も素晴らしく、物語を一段際引き立てている。弾丸トレインの動きと音楽が絡まり合っているのは圧巻だ。

最後に、登場人物も魅力的である。瀧と宮水はもちろん、それぞれの家族や友人、地元の人々まで、一人一人の存在感が強く描かれている。特に印象的なのは、物語の古都奈良で出会う宮水の祖母・常盤さんである。ひと言ひと言が珠玉の言葉で、映画の随所で登場する場面がある。

「君の名は。」は、今もっとも輝かしい日本語アニメーション映画である。ストーリー、映像、音楽、キャラクターなど、どれをとっても素晴らしく、鑑賞することで人々の心に深い感動を残す1本である。