「君の膵臓をたべたい」アニメレビュー

あらすじ

主人公・僕は、ある日クラスの美少女・さくらが本を忘れたことから、彼女が書いた「共病文庫」という日記を手に入れる。その日記には、病気で余命わずかなさくらが、その病気をきっかけに出会った僕との交流の記録が綴られていた。物語は、さくらと僕の切なくもキラキラとした日々、そして最後の別れに向かって進んでいく。

感想

本作は、青春群像劇としても、純粋にラブストーリーとしても素晴らしい作品であると感じた。特に、ストーリー展開には丁寧さがあり、一つ一つのシーンが描かれる中で、主人公たちは少しずつ成長していく。また、劇中で綴られている詩や独白も印象的である。さくらの病気を題材にしているため、泣けるシーンも多いが、全編にわたり、暖かい感動があふれている作品であると感じた。

制作

本作のアニメーション制作は、studio VOLNが担当しており、制作スタッフの手綱がしっかりと握られた作品であると感じた。特に、色味や作画が緻密である点が印象的であった。

音楽

本作の音楽担当は、羽岡佳さんであり、彼女が制作したサウンドトラックは、物語の雰囲気を表す音楽として非常に優れていると思った。また、主題歌「灰色と青（はいいろとあお）」は、劇中とともにすこしずつ変化していく歌詞に、感情移入してしまうほどであった。

まとめ

本作は、さくらを中心に進む物語でありながら、彼女が病気であることによって変化していく周りの人々も克明に描かれており、青春群像劇としても秀逸な作品であると感じた。泣けるシーンは多いが、全編にわたり温かみを感じられる作品であるため、ぜひ見てほしい。