『四月は君の嘘』レビュー

あらすじ

主人公の高校生、有馬公生（ありまこうせい）はピアノの天才だったが、母親の死をきっかけに音楽から遠ざかっていた。そんなある日、同じ学校の転校生、宮園かをりと出会う。美しい音色を奏でる彼女に惹かれた公生は再びピアノに向き合う決心をする。

ストーリー

本作は、音楽がキーとなる青春ドラマである。主人公の公生を中心に描かれる物語は、音楽と恋愛を混ぜ合わせた感動的なものとなっている。

公生とかをりの物語は、単純に「音楽を通じた出会いから恋愛に発展する」というロマンチックな展開ではなく、それぞれの過去や心の傷を抱えている点が特徴的である。公生は母親の死を引きずり、かをりは自分が著名なピアニストである一家の期待に抗い音楽をやめた過去を持っている。そんな彼らが、音楽を通じて新たな自分に出会い、歩みを進める姿が感動的である。

また、作品にはサブキャラクターたちの成長物語も描かれている。「ワンダーフル・ワンダーワールド」に出演する小学生のグループ「平和橋学園（へいわばしがくえん）」の4人が、公生やかをりの音楽に助けられながら大きく成長している様子が見られる。

アニメーション

本作のアニメーションは、丁寧な作画で表現されており、音楽を演奏するシーンは美しく、感動的である。特に、かをりや公生が演奏するピアノの音色は鳴り響くような迫力があり、作品の世界観に深い印象を与える。

音楽

本作の音楽の中心となるのは、クラシック音楽である。主題歌である「光るなら」や、劇中でかをりや公生らが演奏する楽曲は、美しい旋律と共に作品の世界観を深めている。

総評

本作は、音楽と恋愛を描いた感動的な青春アニメである。物語の筋立ても良く、音楽やキャラクターたちの成長に共感することができる。また、美しいアニメーションや音楽も一層作品の魅力を引き立てている。映画版もあるので、本作を見た後にはぜひ映画版もチェックしてみてほしい。