『鬼滅の刃』レビュー

概要

『鬼滅の刃』は、吾峠呼世晴による同名の漫画を原作とするアニメ作品である。鬼に家族を殺された主人公・竈門炭治郎が、自身も鬼狩りの“鬼殺隊”に加わり、人間に害を及ぼす鬼を退治する物語である。

幼い時から家族と暮らす炭治郎は、ある日家族を餌食にする鬼に出会い、弟の禰豆子だけが鬼となってしまう。禰豆子を人間に戻す方法を探すため、炭治郎は“鬼殺隊”の隊士として鍛錬を積んでいく。

邪気の漂う街を渡り歩き、次々と現れる鬼たちと戦う炭治郎たちは、それぞれの過去や思いを胸に、鬼狩りに挑んでいく。

まず挙げられるのが、美麗なアニメーションである。水墨画を思わせる背景や、華やかで重厚感のある「呼吸法」の演出など、目を奪われるシーンが多い。

また、炭治郎たち隊士達の人間ドラマも魅力の一つである。炭治郎の強い思いや、鬼としての才能を持ちながらも人間として生きたいと願う禰豆子、心を閉ざしていた岩柱兄弟や柱たちの過去など、多くのキャラクターたちが深く描かれている。

さらに、音楽も素晴らしい。激しいアクションシーンで励まし合う炭治郎たちの掛け声が迫力に満ちた楽曲とともに流れる姿は、見ているこちらも気持ちが高ぶる。

『鬼滅の刃』は、美しく、感動的な作品である。炭治郎たちの成長や、鬼たちの悲しい過去、人々の願いが織り成す物語に、どんな人にも共感できる部分があるに違いない。是非一度観てほしい作品である。